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療育コラム 『コンビニのコーヒー』で自分に優しいルーティーン作り

2018年10月10日

皆さんこんにちは。ツクルの吉田です。

私はコーヒーが大好きです。
特にコンビニで買う入れ立てのコーヒーが大好きで、この時代に生を受けたことを神様に感謝するぐらいに大好きです。

しかし私は本日現在49歳のいわゆる『オッサン』の部類の成人男性です。
この歳になると物覚えの力に衰えが生じ、たまに自分でもビックリするような物忘れやミスを頻発してしまいます。

「あれ?メガネどこ行った?」(頭の上に掛けてある)
「昨日の夕食なんだっけ?」(調理は自分)
「結婚記念日は・・・?!」(妻の誕生日)

などなど・・・まるで某新喜劇を地で行くスタイルで、日々の自分に対して多少のストレスと、家族には失笑気味のお笑いを提供しつつ生活をしています。
しかしこれがお笑いで済む程度ならいいのですが、時々シャレにならないミスもあります。

例えば、早朝の打ち合わせや会議があるのに携帯や財布を忘れる・・・この忘れ物の基本となる二大『忘れ物王者』を、私も例外なく忘れてしまいます。
お財布が大事なのはさておき、携帯電話との付き合いは、1985年ぐらいから携帯電話の国内レンタルがスタートし、90年代はポケベルとの共存、96年には着メロブームが訪れ、2007年には iPhone が発表される・・・こんな時代を約25年ほど携帯電話と共に生きてきた私でも、過去に幾度となくお財布と携帯電話を自宅に置き忘れたり、酷いときにはその”彼ら”を紛失してしまうことがありました。その都度慌てて警察に出向き「すみません!大切な『お財布君』と『携帯ちゃん』がいなくなったんです!」と、まるで大切な友人や恋人と生き別れたかの如く捜索を願い出る有様でした。

あれ?これって本当に大事なのか?!

さて、お話しを戻しましょう。
このように今となっては生活に必需品となった二大忘れ物王者達を、なんとか『忘れ物王』という不名誉な称号から解放すべく、いろいろな経験から対策を検討しました。
ここで私なりに気づいたことを分析してみると・・・

1.無くしたと思っても大抵自宅に忘れている
2.会社に着いてから気づく
3.そもそもその財布や携帯に執着していない

こんな感じですかね。
そうなんです。自分を見つめ直すのって大切ですよね。(自虐)

まず、1。
ほぼこれ。これが9分9厘。いや、9割9分9厘。
これで何度も警察に連絡し、

私「すみません。ありました。」
察「それは良かった。で、どこにありましたか?」
私「・・・自宅にありました。(てへぺろ)」
察「・・・まぁ次から気をつけてね。(失笑?)」

的なやり取りを何度も何度も繰り返してきました。

次に、2。
出社してタイムカードを刻み机に着く。

【パターン1】
「さぁーコーヒーでも飲みながら書類をチェックしよう。そうそう、その前にメールのチェックをだな・・・あれ?!無い!!」
【パターン2】
「おっし、お昼休みだ!さぁー今日は何の弁当を買いに行こうかな?昨日は唐揚げ弁当だったしな・・・よっし!今日は唐揚げ弁当にしよう!あそこの唐揚げ弁当は本当に美味しいんだよな・・・あれ?!無い!!」

時既に遅しってやつです。
その日は世間からの情報を閉ざし、一日の断食を余儀なくされるのです。

最後に3。
・携帯電話?どうせすぐに壊れるし、機種変更で愛着もそんなにないし。
・財布?人(財布)は外見で判断しちゃいけない。中身(金額)で勝負だ!
のような考えで生きてきた人です。今更なんでもいいし的な。
あ、ちなみに中身では勝負できません。

どうです?分析結果からして問題だらけですよね。

では、これらの結果を踏まえて解決策を模索してみましょう。

まず、『1.無くしたと思っても大抵自宅に忘れている』と『2.会社に着いてから気づく』ですが、自宅にあることが前提で考えてみると、自宅から出る前に必ず確認することにすればいいのです。しかも半強制的に。
そこで私はあることに気づきました。

それは『外出時には玄関で必ず靴を履くこと』です。

これは49年間忘れたことがありません。
まず日本国内の私が住む地域では靴を履かずに表に出ると、足は汚れるし、痛いし、そもそも危険極まりないです。
これは正しく親から教育を受けたおかげで、靴を履くことにより自分自身の足が、汚れや怪我から回避されているのです。
でもこれって意識していますか?と言われれば、正直意識していません。自然に当たり前のように日々同じことを繰り返しています。
しかも靴。時にはおしゃれに拘って新しい靴を買ってはテンションを上げ、またその履き心地に癒やされ、高反発クッションが敷かれた機能に酔いしれる・・・というように、靴には不思議な魅力や日々の”履く”というルーティーンが、汚れや怪我などの危険を回避してくれるの力があるのです。

そうです。このパターンと同じようなことが、お財布と携帯電話にできないかと思いついたのです。

そこで考えました。
携帯と財布の確認をほぼ確実に行うルーティーンを作ればいいんだと。
まずここで気をつけなければならないのは、飽きたり、魅力を損なうやり方では続けられないということです。
同じ続けるなら、靴のように『デザインにときめく』『心地良い』的な自分にとって苦にならない、といいますか『続けたい!』と思える気持ちが大切なのです。

私はコーヒーが大好きです。
少なくても一日に3〜4杯は飲みます。自宅にはバリスタと言われるコーヒーメーカーが備え付けられ、飲めば頭が(少なからずとも)回転しますし、心も癒やされ、落ち着ける。しかも体にいい?との説もあり、とにかく自称コーヒーおじさんなのです。

『ならば朝のコーヒーは自宅近くのコンビニで必ず買って飲む』をルーティーンにしたのです。

これにより、大好きなコーヒーは飲めますし、コーヒーを飲むには必ずお財布が必要です。(ただしお財布携帯禁止)
自分にとって、大好きなコーヒーを飲みながらお財布を自宅に忘れることを回避することができたのです。たった100円で。まさに一石二鳥です。

次に携帯。
拘りましょう。愛しましょう。
新聞を読むのを減らし、朝のニュースは携帯で確認することからはじめ、メールのチェックや会社のグループウェアに至っても、必ず携帯で確認します。
機種変更もバンバン行いましょう。その時代にあった自分好みの機種を手に入れ、ケースや保護フィルムにも拘ります。
さらに私は自動車で通勤しているのですが、車を発車する前に、必ず目の前の車載ホルダーで携帯を充電しています。しかもその充電されている携帯からradikoというアプリで、MBSラジオ局の「ありがとう浜村淳」という大好きな番組を聴くことにしているのです。

こうすることによって、お財布も携帯電話も、今となっては忘れることは無くなったのです。

でもよく考えると・・・これらは私のためだけに閃いた特異な方法やルーティーンではなく、発達障害や自閉症スペクトラムの児童達にも有効ではないでしょうか?

私の長男は発達障害で知的にも困難なものを持っています。
しかし彼は一度学校で「掃除が上手だね!」と一言褒められた時から、なぜか寝る前には必ず玄関の戸締まりと掃除、トイレと洗面所とキッチンの床にあるゴミを拾い、きれいになった自分のテリトリーに酔いしれながら眠るようになったのです。
掃除できれいになれば・・・人はそこを心地よく感じます。おそらく私の長男もそうなのでしょう。また人は褒められれば嬉しいしやる気もでます。おそらく長男も掃除をする度に学校で褒められた成功体験が脳裏に浮かび、その記憶に酔いしれて心地よく眠っているのだと思います。

つまり、健常者(と自分で言っている人)と障がい者(と人から言われている人)も関係なく、自分にとって心地良いルーティーンは、その行動が問題とされない限りは、とても魅力的な社会生活上の力となり得ると思うのです。

問題行動や特異な特性について、なんとかならないか・・・とお悩みの方は、本人もその支援者も沢山おられると思います。
そんな時、その問題行動や特性についての内容もさることながら、今一度、その本人にとっての「心地よさ」や「優しさ」とは何かを見つめ直して頂けるだけで、少し違った解決策が見いだせるかも知れません。

私はコーヒーが大好きです。
特にコンビニで買う入れ立てのコーヒーが大好きで、この時代に生を受けたことを神様に感謝するぐらいに大好きです。

私の場合、上記のとおり「コーヒー」が、私自身の問題行動を解決してくれました。

ご参考になれば幸いです。

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